Elle – S/T 12″


Elle – S/T LP ¥1,670
Released in 2017 by Conditions

Beau Navire, Yearbooks, Loma Prietaのメンバーによって結成されたオークランドの新生エモーティブ・ハードコア・バンドによる、デビュー音源となる5曲入り片面LP。
メンバーの内訳は、Kris (Beau Navire / Yearbooks), Trei (Beau Navire), Sean (Beau Navire / Loma Prieta), Brian (Yearbooks)という面々で、つまり早い話がほぼBeau Navire+Yearbooksという編成。
音的にも正にBeau Navire + Yearbooksの融合という感じの音なんですが、そのどちらのバンドとも微妙に異なる良さがあって、これがかなりかっこいい。新しいとすら思います。

ギターの鳴りとか音色はガラス細工みたいに繊細で耽美的で狂おしい、まさにあの「Beau Navireの音」なんだけど、リズムや展開はYearbooks同様シンプルでストレート。
両方の要素が拮抗している感じが面白いし、個人的には何となくBullets*InとかThe ShiveringとかのRevolution Summer影響下のDIYエモ・バンドに通じる要素もけっこう感じました。

あとBrian氏のボーカルがYearbooksの頃よりもスポークン多用気味かつエモーティブ度上がり気味で非常にツボです。

Beau Navire, Yearbooks, Loma Prietaなどメンバーの関連バンドが好きな人は勿論、Rites of Springとかが好きな人からBlue Friendなどが好きな人までおすすめな1枚。

500枚プレスで、クリア盤は100枚のみ。先着でクリアから発送していきます。
盤自体がしっかりしてて良い音するのも最高。レコードで聴いた方が更に映える音だなと実際に聴いて思いました。
DLコードとかはついてないんですが、希望あればゴニョりますので言って下さい。笑

Bandcamp

Yearbooks – See You Next Year


Yearbooks – See You Next Year ¥750
Released in 2014 by Conditions

Elle, Beau Navire, Super Unison, Street Smart Cyclistなどのメンバーが在籍していたオークランドの4人組エモーティブ・ハードコア・バンドの6曲入りカセットテープ。
ドラマーのKrisが運営するConditions Recordsより、100本限定でのリリース。

このバンド恥ずかしながら当時見過ごしてたんですけど、独特で良いですね~。
Beau Navireを彷彿とさせる儚い耽美な狂おしさもありつつ、ElleやSuper Unisonの前身になったというのも何となく分かる、シンプルさもある音。
激情エモをスタートとして、エモやシューゲ、耽美なニューウェーブ/ポスト・パンクなどを経由してインディーロックへと繋がっていく、そんな音です。
わりとストレートなリズム展開の楽曲でキャッチーなフックのある曲が多く、曲も短いので聴きやすさすらありますね。

データはBandcampでフリーで落とせますが、ジャケの紙質やテープのクオリティも高いので、フィジカルでも持っていて損はない1枚(個?)だと思います。

ElleやBeau Navireなどが好きな人は勿論、Sore EyelidsやFugazi, Healing Powers, Super Unison, Anne, Blue Friendなど好きな人にもおすすめ。

Portraits of Past – Cypress Dust Witch


Portraits of Past – Cypress Dust Witch CD ¥640
Released in 2009 by Excursions Into The Abyss

Portraits of Pastの2009年の再結成4曲入りEP。フォロワーも誰もできなかった1995年のLPのあの「続き」を見事にやってのけた、これまた名盤と言っても良い1枚。
1曲目の”Fire Song”から意味分からないほど凄すぎて、当時楽弥君や哲史さん(asthenia初代ドラム)とやべーやべーと盛り上がりすぎてた記憶。
この曲の中盤以降のオリエンタルな展開とかもう謎すぎて天才もしくは宇宙人としか思えない。
来日公演がまた凄まじかったんだ。

※こちらはExcursions Into The Abyss版です。Cosmic Note版とは盤面やケースなどのデザインが異なります。

上:Excursions Into The Abyss
下:Cosmic Note

Portraits of Past – Discography


Portraits of Past – Discography CD ¥940
Released in 2008 by Ebullition

短いレビュー
1994年から1995年にかけて活動していたPortraits of Pastのディスコグラフィー。激情とかエモとかハードコア好きな人全員マストで聴く価値のある作品。



長いレビュー

Ebullitionの数あるクラッシックの中でもベスト・オブ・ベスト(金字塔)として評価する人も多いPortraits of Pastの全曲集。
とはいえ1995年にオリジナルのLPを発表した当初から人気があったわけではなくて、むしろ最初はほとんど売れず(曰く「完全に売れ行きがストップしていた時期があった」とのこと)、Ebullitionもジャケの紙が足りない時に「裏紙」として使っていたくらい。

解散後だいぶ年月がたってから急速に再評価が進んで、売れまくったは良いものの裏紙とかに使ってたせいでジャケが足りなくなり、シルクスクリーンで新たにジャケを作りなおしたので、ジャケが数種類存在しているんだそうです。
オリジナルはこのディスコグラフィーと同じデザインで、再発は複数パターンあるけどどれも白地にシルクスクリーンを刷ったもの。

面白いっすよね~。こういう話本当大好きです。Ebullitionのサイト結構こういう話載せてて面白いので暇なときとか読んでみるのおすすめします。

* * *
今となってはクラッシックだけど、1995年当時、この音が早すぎたっていうのは何となく分かる気がしますね。
曲をパートごとに分解するとどのパートも超絶にかっこいいんだけど、全体として聴くと抽象的・・・というかアート的というか。

歌詞も抽象的で説明もないし。メンバー謎に化粧しているし。
曲も性急で何となく哀愁は感じさせるけど、悲壮感は感じさせない。むしろ初期のThe Cureとかに近い耽美的な印象すら受けます。
ギターは終始不思議なトーン。
突然の疾走。手数の多いドラム。
叫んでるのに怒りも悲しみもあまり見えてこない、地声混じりの線の細いボーカル。

めちゃめちゃポリティカルなバンドが多かった当時のシーンの中で、こういう曖昧な要素ばかりのPortraits of Pastは正直「分かりにくい、評価しにくい」バンドだったのではなかろうかと思います。
けど、それこそがこのバンドの特異な魅力だったわけで。

* * *
良いとか悪いとかじゃなくて、後にも先にも「Portraits of Pastだけでしか聴けない」独自の世界観をいきなり確立させたのが、このバンドの凄さであり、謎でもあり、カルト的に愛されている所以でもあると思います。
ていうか、未だにPortraits of Pastに似てるって感じたバンド出会ったことないなと。
強いて言うなら後期theSunのギターサウンドには少し共通するものを感じましたが、世界観は全く別物だし(良い悪いではなく)。

とにもかくにも、いわゆる激情ハードコアのアティチュード的な側面ではなく、アート的な側面を代表するバンド/作品としてマストで聴いて欲しい1枚。

最初のボーン、ボーンっていう音、何かのSEかと思ったらライブでギターで完全再現してて驚いた記憶。2009年の再結成ライブ、今思い返しても本当凄かった。

1~7曲目がオリジナルのLP、8曲目がEbullitonのXXXコンピ、9曲目が”Stealing the Pocket”コンピ、10~11曲目がBleedとのスプリットEP、12~13曲目が1995年のギルマンストリートでのライブ、14~16曲目が同じく1995年のラジオ局でのライブの収録曲。

そのあとドラムのMatthewはFuneral DinerやWho Calls So Loudなどで活躍、残りのメンバーはVueというインディー・バンドでSub Popからリリースしたりしてました。ちなみに最近Noisey読んでて驚いたんですけど、Hot Hot Heatというメジャーなバンドの代表曲“Bandages”(当時けっこう好きだった)の元ネタがVueの“White Traffic”らしいです。そしてHot Hot Heatの前身はInstillという激情バンド(紛らわしいけどInstilではない)。

2017年もナードが辞められない。

Dystopia – Human = Garbage


Dystopia – Human = Garbage CD ¥1,120
Released in 2014 by Tank Crimes (originally released in 1994 by Common Cause / Life is Abuse / Misanthropic)

「暗黒郷」というバンドの「人間=ゴミ」という酷いタイトルの傑作アルバムの再発CD版。
スラッジとかクラストとかドゥームとか呼ばれたりもしてますが、そのどれも正解であり不正解であるような、独特で形容しがたい音。
分かりやすいサバス・リフとかモッシュパートとかテクニカルなリフとかそんなの一切出てきません。
精神を蝕むようなアルペジオとザラついた轟音、そして病み闇ウギャウギャ・ボイスが織りなすミサンスロピー宣言集。確実に肉体よりも感情に作用するタイプの音だと思います。

1~5曲目がオリジナルの”Human = Garbage” LPで、6~11曲目がEmbitteredとのスプリットEP(1992年)、12曲目がGriefとのスプリットEP(1992年)の曲。
6曲目以降の初期の音源はボーカルが違っており、よりデスメタル的なサウンド。

16ページのブックレット付き。

V.A. – What Still Holds True 7″


V.A. – What Still Holds True ¥490
Released in 1995 or 1996 by Phyte

デッドストック!まだあるんか!と驚いた1枚。なんせ中に入っている当時の新譜の広告がBotchの7″とThenceforwardですからね。”God Free Youth”のTシャツも買えたみたいです。これだけで無闇にテンション上がらないですか?僕は上がります。

Chokehold, Dead Wait, Burst of Silence, Line Driveという後追い初期ニュースクール掘り師にとっては失禁をもやむを得ない面子の4 way splitコンピです。
個人的にはBurst of Silenceがこの中では特に好きですね。小節の最後にやるキメキメなドドッ!ドドッ!ていうフレーズが好きなんですけど、この曲は出し惜しみなく引きずりまくってて最高です。

各バンド1曲ずつ。盤面は勿論AKIRA。

Distort Zine #44


“Distort Zine #44” ¥500
Published in 2014 by Feel It Records

元々IntegrityやAnnihilation Time, Sex/Vid, Catharsisなどのインタビューを載せてたり「ホーリーテラー特集」とかやっていたファンジンですが、号数を重ねるごとに嗜好が少し変わってきたようで、今号ではPosh Isolation / Lust for YouthのLokeのインタビューや、オーストラリアのインダストリアル/エクスペリメンタル・ロック・トリオのHTRK、更には哲学者へのインタビューなんかも出てきます。

ダークかつミニマリスティックなアートワークも特徴的な一冊。何となくSoileddove君っぽさ感じました。

内容
writing about / interviews with:
The Kinks
Dribble / Gutter Gods
John Roffe (philosopher)
HTRK
Constant Mongrel
Jock Club
Loke Rahbek (Posh Isolation Records, Lust for Youth, Croatian Amor, etc.)
Ray Brassier (philosopher)