“Simba: A Collection of Personal and Political Writings from the Nineties Hardcore Scene” by Vique Martin


“Simba: A Collection of Personal and Political Writings from the Nineties Hardcore Scene” by Vique Martin ¥1,810

90年代のSimba Recordings / Zineを運営していたViqueという女性による本。全258ページ。当時のSimba Zineや、彼女がHeartattaCkやFractureなどに寄稿していたコラムをまとめた1冊。

インタビューはFabric, Greyhouse, Indecision Records, Split Lip, Texas is the Reason, Lisa & Leslie (Kentと一緒にHeartattaCkを作ってた女性2人), Jordan (Revelation Records)など。コラムはまだ全然読めてないんだけど、フェミニストとしての観点からパーソナルな内容やパンクシーンの事柄を語っているとのこと。ちゃんと読んだらレビュー書きます。ちなみに名前に見覚えあるなと思ったらRevHQでメール担当してくれる人でした。

Burning Fight: The Nineties Hardcore Revolution in Ethics, Politics, Spirit, and Sound


“Burning Fight: The Nineties Hardcore Revolution in Ethics, Politics, Spirit, and Sound” by Brian Peterson ¥2,050

7年以上ぶり(マジか)の再入荷。莫大な情報量が詰まってます。



(以前のサイトに書いたレビュー)

ニュースクールを始め、エモ、アナーコ、クリシュナ、激情、カオティック、DIY、ヴィーガン、ABC No Rioといったキーワードが複雑に絡みあった90年代のハードコア・シーン。
そのぐちゃぐちゃに混沌とした90年代という時代を、総勢150人以上のミュージシャンやレーベルオーナー、アクティヴィストに取材を行い、「政治性と社会意識」、「ストレイト・エッジ」、「アニマルライツ」、「精神性(宗教)」、「サウンド」の5つのチャプターから紐解いたかなり参考度の高い本です。

前半は「政治性と社会意識」、「ストレイト・エッジ」、「アニマルライツ」、「スピリチュアリティ(宗教)」といったテーマを総勢150人以上のミュージシャンやレーベルオーナー、アクティヴィストが語るコーナー。EbulltionのKent McClardやMike KirschなどのプロDIYな人物は勿論、Raidみたいなガチガチのヴィーガン至上主義者、MadballのFreddyみたいなタフガイ、はたまたSleepytime TrioのBen Davisまでを平等に取材しているからよくあるイデオロギーの押し付け的な側面はほとんど感じられないし、各々の意見の違いや意外な共通項が見つかって面白いです。
出てくる人物(一部):Kent McClard (Ebullition Records, Heart Attack Zine), Mike Kirsch (Fuel, Navio Forge, Bread and Circuits, etc.), Brian Dingledine (Catharsis, Inside Front Fanzine), Daryl Taberski (Snapcase), Ben Davis (Sleepytime Trio, Milemarker), Mike Hartsfield (Outspoken, New Age Records), Scotty Nimet (More Than Music Fest), Chris Logan (Chokehold, Goodfellow Records), Steve Lovett (Raid), Dennis Lyxzen (Refused), Freddy Cricien (Madball), Adam Nathanson (Born Against), Kurt Schroeder (Birthright, Catalyst Records), Chad Neptune (Strongarm), Scott Beibin (Bloodlink Records), Nate Wilson (Monster X, Das Oath), Ian Mackaye (Minor Threat, Embrace, Fugazi), etc.

後半は「Sound」。一つ一つのバンドに焦点を当てて、結成から解散、その後までをインタビューして特集。まあ若干ニュースクールに偏りすぎてる感はありますが、どのバンドも嘘みたいな(まあ実際いくつかは誇張もあるんだろうけど)ドラマだらけです。
個人的に好きなエピソードは、後期Unbrokenのあの吹っ切れたサウンドがDrive Like JehuやRocket from the Cryptからの影響だった話、今まで公の場でほとんど語られることのなかったEric Allenの最期、文字通り泣きながら演奏していたというEndpoint, 曲の途中に機材トラブルで音が出なくなった後もキッズのシンガロングだけで最後まで通したUndertow, Inside Out解散を最後まで阻止しようとしていたZack de la Rocha, Strifeの”One Truth”がStraight Edgeのことではなく彼女へのラブソングだった話など。

こんだけネタばらして大丈夫なの!?と思われるかもしれませんが、マジでこれだけでもほんの氷山の1部です。詳しくは本文で。

あの頃を懐かしがったり、憧れたりしても何も始まらないけど、読んで何か今日に活かせるものがあるならそれは意味のある行為のはず。
現代でハードコアバンドをやるにあたっての案とヒントとして、もしくはトイレのお供として。

Contents:
・Chapter One: Politics and Social Awareness
・Chapter Two: Straight Edge
・Chapter Three: Animal Rights
・Chapter Four: Spirituality
・Chapter Five: Sound (intro)
・108
・Avail
・Burn
・Cave In
・Coalesce
・Damnation A.D.
・Deadguy
・Disembodied
・Downcast
・Earth Crisis
・Endpoint
・Groundwork
・Guilt
・Inside Out
・Integrity
・Los Crudos
・Mouthpiece
・Racetraitor
・Ressurection
・Rorschach
・Shelter
・Spitboy
・Split Lip / Chamberlain
・Strife
・Swing Kids
・Texas is the Reason
・Threadbare
・Trial
・Unbroken
・Undertow
・Vegan Reich

Yaphet Kotto – We Bury Our Dead Alive CD


Yaphet Kotto – We Bury Our Dead Alive CD ¥940
Released in 2004 by Ebullition

賛否両論わかれたYaphet Kottoの3枚目にしてラスト・アルバム。
前作、前々作が名盤であることは多くの人が認めるところだと思うんですが、今作は人によって大分評価分かれますよね。
なんせ今まで最大の魅力だった「青さ」や「エモーショナルさ」がほぼ消えてしまってるんす。
代わりにポスト・ロック的な静寂パートや壮大なミドルテンポの展開が増えてるんだけど、「Yaphet Kottoに求めてるのはそれじゃないよ!」ってのが大半の意見だったかと思います。

当時交流の多かったenvyやCity of Caterpillarの諸作に影響受けたのかなと何となく予想したりしますが、個人的にその辺の影響下のポスト・ロック+激情という風潮が苦手だったので、僕自身今作にはハマれなかった組です。。

・・・。

はい、ただ決して悪い作品ではありません!ここから良い点書いてきます。

まずそのMagの高音ボーカルの「歌」が唯一大々的に聴ける”The Constant Ringing”、これは文句なしにかっこいい!前作を思わせる曲なんですが、一瞬だけ非常に今作的なポスト・ロック的なパートをポロロン、と入れて、「お?」と思わせた瞬間またエモ・パートへ全力で再突入!本当に一瞬だけどこの「一瞬」の入れ方がかっこ良すぎ。これは前作と今作の良いところだけ詰まった、今作でしか聴けないタイプのYaphet Kottoの名曲だと思います。

そして”Chime The Day“という曲、これはズバリ断言しますが間違いなく「Finger Printみたい曲」を目指して作ったでしょうね。ていうのも彼らはJasemineのカバーとかもしてるし、間違いなくフレンチ・エモ大好きなはず。このクラストともユースとも違う2ビートの疾走感、そして中盤でエモーショナルに落としてラストでまた2ビートで疾走する感じ、すごくStonehenge的だしやりたくなるのすごい分かります。

あと散々言ってますが、ポスト・ロック的な楽曲でも要所要素で良いなって思うパートは沢山あります。例えばタイトル曲”We Bury Our Dead Alive“のイントロとかめちゃめちゃ好きですし、実質ラストの”Chime the Night“の終盤の沈み込むようなメランコリックさ(少し”First Meetings Agreement”の終盤を連想させます)も素晴らしい。

というわけで駄作ではないし聴く価値がないとも全く思わないけど、Yaphet Kottoの音源として聴くのは一番最後で良いかなという感じの音源です。
これ以外の音源が全部良すぎるってのもあるかな。

The Blue Period – Demo (Summer 2013) 10″


The Blue Period – Demo (Summer 2013) ¥1,260
Released in 2014 by strictly no capital letters / Wolf Town DIY

UKはノッティンガムの男女ボーカル・インディー・エモ・バンド、The Blue Periodのデビュー音源。
当初デモとしてカセットで出てたのかな?が好評につき10インチとして再発されたもの。さまざまな90年代解釈・サンプリングが昨今の世間では行われておりますが、このジャケの発想はなかった。ウィンドウズ95リップオフ。

最新作のHuman HandsとのスプリットLPではインディー/エモを出発点にしながらも、何とも形容しがたいオリジナルな音楽性になってた彼女らですが、今作はデビュー音源だけあり一番90年代エモ色が強いと思います。聴いてて頭に浮かぶのはEveryone Asked About YouやJejune, Rainer Maria, Pinbackなど。

派手さよりもニュアンスを大事にするエモ。最初の印象は地味だけど長く付き合いたいタイプのエモですね。

僕は最新作が一番独特の多幸感があって好きなんだけど、楽弥君は逆でこの音源がThe Blue Periodの中で一番好きみたいです。逆に最新作の方が普通のエモっぽいと言ってました。

あなたはどっち派?!

bandcamp ←NYPでDL可

Give – Electric Flower Cult 12″


Give – Electric Flower Cult LP ¥1,730
Released in 2017 by Lockin’ Out

DCのRevolution Summer影響下のポスト・ハードコア・バンド、Giveの最新12インチ。
5曲入りで、1曲が前作LPの”Electric Flower Cult”の再ミックス/マスタリング版、残り4曲が未発表曲(レコーディングは前作と同じセッションだそう)。

タイトル曲の”Electric Flower Cult”は彼ら的にも新機軸というか、個人的にこれまで「かっこいいんだけど獣臭いうえに暑苦しすぎてアルバム1枚フルで聴くのはきついな」と思ってたのが、「あ、このテイストならアルバム通して聴けそうだな」と思わせてくれた1曲。
サイケデリックなポップさや妖しげなウィスパーボイスを混ぜつつ、今までのGiveっぽさも十分感じさせてくれる曲で、従来のRevolution Summer的なイメージから正しく一歩前へ踏み出した曲なんじゃなかろうかと思います。個人的には最近のSegweiとの共鳴も感じます。
再ミックス・マスタリングしたということで、真面目なので聴き比べてみたんですが、完全に今回の方が良い音になってます。

残りの4曲に関してはレコーディング時期が同じだからか前作と似たテイストの曲が多いんだけど、中でも”Beyond the Gun”はかなりかっこいい曲。こんな良曲取っておいたということは元々何作かに分けてリリースするつもりでレコーディングしてたのかも。

MVも作られてます。洒落てまんな。

SegweiやDaiei Spray好きな人で名前は知ってるけどちゃんと聴いたことないな~って人には是非薦めたい1枚だし、勿論従来のファンにもおすすめな1枚。
ジャケも良い紙使ってます。良い臭いします。

full album on youtube

Orchid – Gatefold CD


Orchid – Gatefold CD ¥980
Released in 2002 by Ebullition

再入荷。Orchidの3rdアルバムにしてラスト音源。ハードコアのマッチョイズムを徹底排除し、スキニージーンズ・白ベルト・お洒落な髪型・病的に痩せた体系、という後に悪い意味で記号化してマスに消費されてしまうファッション・スタイルでも知られるバンドですが*、彼らの場合単なるファッションではなく「アンチ・マッチョイズム」「アンチ・ジョック」という主張を伴った格好だったのではなかろうかと思います。

音的にもUranus辺りが元となって生まれた「エモ・バイオレンス」というサブ・サブ・ジャンルを徹底的に洗練させたアルバムで、すさまじく混沌としてグシャッ!てしてるのにスタイリッシュさすらある、というすごいアルバム。
海外のダイハードなエモ・バイオレンス好きに言わせるとゴチャゴチャしすぎてるとかエモに寄りすぎてるから過去2作の方が良いって意見もあったりするみたいだけど、僕個人的にはこれが最高傑作ですね。

19曲25分。激情ハードコアってよく言われるけど、僕的には極限まで攻撃性と知性を強めた「エモ」って捉えるのがシックリくる(だから評価が分かれるのか)。

現在メンバーはAmpereやRitual MessというバンドでOrchid直系の音を鳴らしてます。

*オリジナルはJustin Pearsonと思われる



(以前のサイトに楽弥君が書いたレビュー)

おはようございます。
これ書くにあたって朝からOrchid聴いてます。
頭痛くなってきました。ぼーっと聴いてたらもう5曲目流れているし…
でも意外に僕のiPodの再生回数が一番多いのがOrchidなんでして。
学校まで歩いて登校する時の怒りのBGMとしてかなりの頻度で聴いてます。笑
なめられちゃいかん…なめられちゃいかん..っと。

2002年リリースのOrchidのラストアルバム。
早くて、短くて、うるさい。三拍子揃ってます。

宜しくお願いします。
(片桐)

Policy of 3 – An Anthology 2xCD


Policy of 3 – An Anthology 2xCD ¥1,270
Released in 2005 by Ebullition

再入荷。”Nine Years Old”は色褪せないクラシック。



(以前のサイトに書いたレビュー)

1993年~1995年を中心に(結成は1989年)活動していたニュージャージー出身4人組、Policy of 3の2枚組アンソロジー。Ebullition Recordsから、2005年リリース。

当時のフライヤー見ると、結構Hooverとかと一緒にライブしてることが多かったみたいですが、実際最初のLPの頃まではHooverとかとも共通項のあるDCポスト・ハードコアの影響濃い殺伐とした楽曲に左翼思想の強い歌詞を叫ぶエモーティブ・ハードコアといった様相。

不穏なイントロから不安定なボーカルまで全て名曲でしかない”1%”や、余り語られないけど中盤の暗いブレイクダウンが最高すぎる”Of the Wolf”など、この時代も凄まじくかっこいい曲残してるんですが、それ以上に活動末期に急激にエモ化した3曲が名曲すぎる・・・!

それまでの殺伐・不穏・不協和音・混沌なトーンから打って変わって、穏やかでいてひたすらエモーショナルな楽曲に、叫ぶのではなくスポークンワードに近いスタイルで語るように歌うこの3曲。Moss IconからHuman Handsまで脈々と続くスポークンワードエモ(と勝手に呼んでる)の系譜の中でも、至宝とも呼べる”9 Years Old”を始め、激情とは違うエモーションを漂わせる彼らの個人的最高傑作です。

個人的にこの3曲に限って言うなら、その後メンバーがやっていたFour Hundred Yearsのどの曲より好きです。Four Hundred Yearsもめちゃめちゃ好きだけど。

このアンソロジーだとその3曲が頭に来て、その次に激エモ時代の名曲”1%”が来るので5曲目以降結構だれるんですが(笑)、それでも聴く価値ありすぎな2枚組アンソロジー。
Moss Icon, Julia, Still Life, Native Nod, Human Hands辺りからHoover, Hose.Got.Cable, Detrytus, Sleepytime Trioなど好きな方に是非。